※この記事は、バンコクで教育や学習塾の運営に長く関わった管理人の経験をもとに作成しています。
先に結論
バンコク日本人学校の子どもが、 全員塾へ通う必要はありません。
ただし、受験、学校の補習、日本語の読み書き、 不登校中の学習など、 目的がはっきりしている場合は、塾や個別指導が大きな助けになります。
バンコク日本人学校へ入学すると、 保護者同士の会話の中で、
- どこの塾へ通っているのか
- 何年生から塾へ入れるのか
- 中学受験や高校受験をするのか
- 塾へ行かないと勉強が遅れるのか
といった話題が出ることがあります。
周囲に通塾している子が多いと、 「うちの子も行かせなければならないのでは」 と不安になるかもしれません。
しかし、塾が必要かどうかは、 友達が通っているかではなく、
- 受験をするのか
- 学校の授業を理解できているか
- 家庭学習ができているか
- 日本語の読み書きに不安があるか
- 集団での学習が合っているか
で判断する必要があります。
バンコクで塾へ通う子が多い理由
1.中学受験・高校受験を考える家庭が多い
管理人がバンコクの教育に関わっていた時期には、 中学受験や高校受験を考える家庭が多く、 進学塾へ通う子も珍しくありませんでした。
帰国後に、
- 難関私立中学校
- 帰国生を受け入れている中学校・高校
- 寮のある学校
- 国際教育に力を入れている学校
- 大学附属校
などを目指す家庭もあります。
日本人学校の授業は、 日本の学習指導要領に沿って行われますが、 受験問題の対策まで学校がすべて行うわけではありません。
そのため、受験を考える家庭では、 塾で先取り学習、応用問題、模試、 志望校別対策などを進めるケースがあります。
バンコクで塾へ通う子が多いからといって、 全員が学校の授業についていけないわけではありません。 受験準備のために通っている子も多いということです。
2.放課後に子どもだけで遊びに行きにくい
バンコクでは、 日本の住宅地のように、 子どもだけで近所の公園や友達の家へ 自由に行き来することが難しい場合があります。
交通量が多く、歩道が歩きにくい場所もあり、 放課後の移動は保護者の送迎や 塾・習い事の送迎車が前提になりやすいからです。
そのため、放課後の時間を、
- 学習塾
- 英語
- 水泳
- サッカー
- 音楽
- ダンス
- 空手などのスポーツ
といった習い事で過ごす家庭も多く見られました。
つまり、バンコクで習い事が多い理由は、 学力を上げるためだけではありません。
子どもが安全に過ごせる放課後の活動場所 という意味もあります。
塾が必要になりやすい4つのケース
ケース1.中学受験・高校受験を考えている
受験をする場合は、 進学塾を検討する意味があります。
特に、
- 受験科目が複数ある
- 志望校別の問題演習が必要
- 帰国生入試の情報が必要
- 作文や面接の対策が必要
- 日本の受験生と比較した学力を知りたい
という場合は、 家庭だけで準備するのが難しくなります。
進学塾では、 授業だけでなく、 模試、進路情報、受験日程、 出願方法などの情報も得られます。
一方で、受験塾は、 授業の速度や宿題量が多い場合があります。
子どもの学力や生活時間に合わないまま入塾すると、 学校の宿題と塾の宿題の両方が 中途半端になることもあります。
ケース2.学校の授業についていくのが難しい
塾は、成績の高い子だけが通う場所ではありません。
管理人が学習塾に関わっていた際には、
- 算数の基礎が抜けている
- 漢字が覚えられない
- 文章題の意味を読み取れない
- 家庭で宿題を進められない
- 前の学年の内容まで戻る必要がある
といった子どもの補習を求める家庭もありました。
この場合は、 難しい問題を先取りする進学塾よりも、
- 少人数の補習塾
- 個別指導
- 家庭教師
- 学年を戻って学べるオンライン教材
の方が合う可能性があります。
学校の成績が低いという理由だけで、 難度の高い受験塾へ入れると、 分からない内容がさらに増えることがあります。 まず、どの学年のどの単元で困っているかを確認することが重要です。
ケース3.家庭内で複数の言語を使っている
日本人学校には、 日本とタイなど、 複数の国や文化にルーツをもつ子どもも通っています。
ここで注意したいのは、 国籍や家庭環境だけで、子どもの学力を判断してはいけない ということです。
複数の言語を使って育った子の中には、 日本語の日常会話には困らなくても、
- 漢字の読み書き
- 教科書の長い文章
- 算数の文章題
- 理科や社会の専門的な言葉
- 自分の考えを文章で書くこと
で難しさを感じる場合があります。
日常会話で使う日本語と、 学校の授業で使う日本語は同じではないからです。
この場合は、 単に問題集をたくさん解かせるよりも、
- 文章を一緒に読む
- 言葉の意味を確認する
- 短い文章を書く
- 漢字を文の中で使う
- 問題文を自分の言葉で説明する
といった日本語と教科学習を組み合わせた支援が必要です。
集団塾より、 少人数指導や個別指導の方が合う子もいます。
ケース4.不登校や集団生活への不安がある
バンコクでも、 学校へ行きにくくなる子どもは一定数います。
不登校になると、 保護者は学校生活だけでなく、 学習の遅れも心配になります。
ただし、不登校の子に対して、 すぐに集団塾へ通わせればよいとは限りません。
教室へ入ることや、 大人数の中で過ごすこと自体に 強い負担を感じている場合があるからです。
そのような場合は、
- 自宅での家庭教師
- 1対1の個別指導
- オンライン授業
- 短時間から始められる学習支援
- 本人の興味を生かした学習
などが選択肢になります。
最初から学校の進度へ追いつかせようとせず、 生活リズムや本人の安心を優先しながら、 無理のない量から始めることが大切です。
子どもに合う授業形式
| 授業形式 | 向いている目的 | 注意点 |
|---|---|---|
| 集団進学塾 | 中学・高校受験、模試、競争環境 | 授業速度と宿題量を確認 |
| 少人数補習 | 学校の復習、基礎学力、学習習慣 | 子どもが質問できる人数か確認 |
| 個別指導 | 苦手科目、日本語支援、個別の受験対策 | 講師1人が何人を見るか確認 |
| 家庭教師 | 不登校、外出が難しい、完全な個別対応 | 指導経験、相性、安全面を確認 |
| オンライン | 送迎時間の削減、日本の塾の受講 | 自宅で集中できるか確認 |
塾を始めるタイミング
塾を始める学年に、 全員共通の正解はありません。
目的別に考えると、 次のタイミングが一つの目安になります。
受験を考えている場合
帰国時期や受験時期が決まった段階で、 早めに情報を集めます。
志望校によって必要な科目、 入試方式、作文、面接などが異なるため、 最初に受験までの計画を立てる必要があります。
学校補習が必要な場合
テストの点数だけでなく、
- 宿題に非常に長い時間がかかる
- 前に習った内容を毎回忘れている
- 文章題を読まずに諦める
- 授業の内容を説明できない
- 家庭で親子げんかになる
といった状態が続いたときが、 学習支援を検討するタイミングです。
日本語の読み書きに不安がある場合
学年が上がるほど、 教科書の文章と専門用語は難しくなります。
日常会話ができるから大丈夫と考えず、 音読、漢字、文章理解、作文の様子を確認してください。
不登校の場合
まずは本人が安心して生活できることが優先です。
学習を始める場合も、 1回30分、好きな教科だけなど、 続けられる量から始めます。
塾選びで避けたい5つの失敗
1.友達が通っているという理由だけで決める
同じ学年でも、 受験目的と補習目的では必要な授業が違います。
2.成績が低い子を、すぐ進学塾へ入れる
まず基礎のどこでつまずいているかを確認します。
3.日本語の難しさを、能力の低さと決めつける
内容は理解できていても、 問題文や教科用語が分からない場合があります。
4.不登校の子に勉強を詰め込む
学習量より、 安心できる人間関係と生活の安定を優先します。
5.送迎時間を考えずに決める
バンコクでは、 距離が近くても渋滞によって移動時間が長くなることがあります。
授業時間だけでなく、 自宅を出る時間、帰宅時間、夕食、睡眠まで含めて判断してください。
塾が必要か確認するチェックリスト
次の項目に複数当てはまる場合は、 塾、個別指導、家庭教師などを比較してもよいでしょう。
- 受験予定が決まっている
- 学校の授業を理解できていない
- 前学年の内容に大きな抜けがある
- 家庭学習が毎日親子げんかになる
- 日本語の読み書きに不安がある
- 集団授業では質問できない
- 不登校で学習機会が減っている
- 家庭だけでは受験情報を集めにくい
反対に、
- 学校の授業を理解できている
- 家庭学習の習慣がある
- 当面は受験予定がない
- 放課後の時間を十分に楽しめている
のであれば、 周囲が通っているという理由だけで 急いで入塾する必要はありません。
まとめ
バンコク日本人学校の子どもに 塾が必要かどうかは、 一律には決められません。
バンコクでは、
- 中学・高校受験を考える家庭が多い
- 放課後に子どもだけで遊びに行きにくい
- 学校補習を必要とする子がいる
- 複数言語環境の子に日本語支援が必要な場合がある
- 不登校の子に個別指導や家庭教師が求められる
といった事情があります。
大切なのは、 有名な塾へ入れることではありません。
子どもが現在何に困っているのかを明確にし、 その目的に合った学習方法を選ぶこと です。
バンコクの塾を具体的に比較したい方へ
関連記事
この記事は、バンコクで教育・学習支援に関わった管理人の経験をもとに作成した非公式記事です。 子どもの学習状況や必要な支援は一人ひとり異なります。 入塾前には体験授業や面談を利用し、授業内容、費用、送迎方法、子どもとの相性をご確認ください。
0 件のコメント:
コメントを投稿